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    <title>『翻訳小説』</title>
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    <description>インドネシアの小説を翻訳。</description>
    <dc:language>ja</dc:language>
    <dc:date>2008-06-25T02:10:28+09:00</dc:date>
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    <title>　幻　　惑</title>
    <description>　その美しいモデルは着替えと仕事道具が入った鞄を手にとった。腕時計をちらりと見る。すでに夜の11時３分を指していた。大急ぎで更衣室から出るとエレベーターに乗り込み、7階下に向かう。　
　小雨が降っており、濡れないように小走りした。外にある駐車場はすでに人気がない。彼女の車を含めて数台の車があるだけ...</description>
    <content:encoded><![CDATA[<p>　その美しいモデルは着替えと仕事道具が入った鞄を手にとった。腕時計をちらりと見る。すでに夜の11時３分を指していた。大急ぎで更衣室から出るとエレベーターに乗り込み、7階下に向かう。　<br />
　小雨が降っており、濡れないように小走りした。外にある駐車場はすでに人気がない。彼女の車を含めて数台の車があるだけだ。彼女は大きな鞄から車の鍵を探すのに必死だった。冷たい風が骨にしみる。鍵をドアに差し込もうとするのだが手が震えてしまう。<br />
　もう！　ついてない。<br />
　鍵が足元にある水溜まりに落ちてしまったのだ。彼女は腰をかがめ、水溜まりの中を探った。だが、鍵は見つからない。駐車場を照らす外灯は鍵を捜す手助けにはならなかった。しまいには、よく見えるように水溜まりのそばにしゃがみこむ。<br />
「お手伝いしましょうか？」<br />
　突然かけられた重くかすれた声に、当然のことながら美しい彼女は驚いた。懐中電灯の光が眩しく、声の主の顔を見分けることできない。<br />
　立ち上がると目を細め、光を避けた。<br />
　「あら、ナルトさん。車のキーが水溜まりに落ちちゃって。捜してるんだけど、見つからないんです&hellip;&hellip;」声の正体が分かると、彼女――エイリーンは言った。<br />
「手伝いますよ」男が答えた。警備員の制服がレインコートの下に隠れてしまっている。<br />
　出し抜けにエイリーンの携帯電話が高い音色を響かせた。鍵を捜してくれるようにナルトに頼み、彼女は電話に出た。<br />
「もしもし、ママ？　何？　よく聞こえないわ&hellip;&hellip;」<br />
　彼女は車から離れ、立つ位置を変えた。その間もナルトと呼ばれた男は水溜まりに落ちた鍵を探している。<br />
「まだセントラルTVよ、ママ。駐車場にいるの。え？　そうよ、直接ボゴールに行こうと思ってる。ううん、先にラスナには行かないわ。まっすぐボゴール。うん。うん。気をつけるって。じゃね、ママ。バイバイ！」<br />
　ぷつっと電話を切ると車に引き返した。<br />
「はい、鍵です」微笑みを浮かべながら警備員は鍵をさしだした。<br />
「まあ。ありがとう、ナルトさん」<br />
　ナルトは敬礼すると立ち去っていった。<br />
　エイリーンはセントラルロックを解除しようとしたが、水に落としたのが原因なのか故障してしまったようだ。ぶつぶつと口の中で文句を言いながら鍵穴に鍵を差し込む。と、車のアラームが鳴り出してしまった。<br />
　ジリジリジリジリジリジリ！！<br />
　広く静かな駐車場に鳴り響くアラームに彼女は戸惑った。止めかたが分からないのだ。ナルトが助けに戻って来てくれることを期待しながら左右を見渡した。<br />
　期待したとおり。彼女の顔を再び懐中電灯の鋭い光が襲った。エイリーンは懐中電灯を持った人物に微笑みかけた。だが、それはナルトではなかった。筋肉隆々なナルトに比べて、その人物は背が高く、痩せぎすだった。フードのついた厚いジャケットを着こんでいる。彼女は男の正体を見極めようと目を細めた。<br />
　口を開きかけて、彼女は自分に向けられたナイフがきらっと光るのを見た。唇から悲鳴がこぼれ、エイリーンは助けを求めて走り出す。だが、彼女の叫び声を聞いた者は誰もいなかった。<br />
　訳も分からないままむちゃくちゃに走った。夜の闇は濃かった。空には星一つ出ていない。雨だけが静かに降り続けていた。<br />
　テレビ局の裏手にある藪にたどり着くと、エイリーンは男の追跡から逃れるために安全に隠れられる場所を探した。息がきれ、心臓は飛び出しそうになっている。<br />
　後ろを振り返る。男はいなかった。<br />
　彼女は安堵の吐息をついた。今頃、あの不気味な男は車の中を荒らしているのかもしれない。<br />
　テレビ局の建物が隠れているところから見えていた。<br />
　暗闇の中で、エイリーンは兄のダミアンに電話をしようとした。コール音が聞こえてくる。誰も取らない。何度か試すが、やはり誰も取らない。<br />
　突然、彼女は悲鳴をあげた。後ろから羽交い絞めにされたのだ。手ぬぐいで口を塞がれるのと、電話がダミアンに繋がるのと同時だった。男はすばやく携帯を奪うと地面に叩きつけた。エイリーンは力なく倒れた。<br />
「もしもし。もしもし。エイリーン？　どうした？　もしもし。聞こえないよ。」</p>
<p>　広い部屋に２１歳の美しいモデルが椅子にぐったりと腰掛けていた。人気上昇中の彼女は女優として、同時に司会者としても高いギャラを得ていた。<br />
　手足はロープでキツク縛られている。口には猿ぐつわをかまされ、それは首の後ろで結ばれていた。<br />
　何度か瞬きをするが、まぶたが重い。周りが霞んで見える。なんとか開けようとするのだが、目の前がぐるぐる回っていた。彼女は眉をよせ、息をついた。頭が痛い。自分の身に何が起こったのか理解できずにいた。<br />
　有名なバンドの音楽がかすかに聞こえてくる。エイリーンが知っている曲だった。よく知っている曲。<br />
　彼女は目を開けようともう一度努力をしてみた。ルネサンス調の大きな家具が置かれている広い部屋が見えた。大きな窓には深みのある朱色のベルベットでできたカーテンがかけられていた。ほとんど床につきそうになっているカーテンは金色の糸で縫われていた。非常に美しかった。<br />
　床は抽象的な模様の大理石。ピンク色で塗られた壁にはたくさんの半裸の女性の写真と絵が飾られていた。驚いたことに、それらの写真と絵には全てエイリーンが写っていた。<br />
　まだはっきりしない視界で彼女は再び部屋の中をなぞった。大きなテレビが４つ置いてある。1つ目のテレビには人気のあるバンドのビデオクリップが流れていた。エイリーンが出演したビデオクリップだ。さっきから聞こえている曲はこのテレビから流れているものだった。もう１つのテレビには彼女が司会を務めた番組が映しだされていた。残りの２つのテレビには彼女の映画やコマーシャルが。<br />
　エイリーンは一度目を閉じ、ゆっくりと開いた。背が高く、痩せた男の後ろ姿を認めた。<br />
　全身をしっかりと縛っているロープを解こうとエイリーンは手足を動かした。あまりの恐ろしさに涙がぼろぼろとこぼれくることに自分でも気がついていなかった。あの男は誰？　なんでここにいるの？<br />
　エイリーンが体を動かしたことで男の注意を引いた。男が振り返る。エイリーンは黙り込み、釘で打たれたように動けなくなった。<br />
　男が近づいてくる。一歩、また一歩と。ブーツの靴底が床にあたり、広い部屋に足音がこだまする。エイリーンの体に震えが走った。<br />
　男は背が高く、髪が肩まで伸びていた。顔は青白く、顎がやつれて尖っている。エイリーンを見つめる目が異様な光を放っていた。鼻と口はメタリックの布で覆っていた。部屋の薄暗い電灯の光がメタリックの布に反射する。くるぶしまで隠れる白いガウンを着込んでいた。手に握られているにナイフがきらりきらりと光っている。<br />
　男が立ち止まる。そして、またゆっくり歩き出した。<br />
　エイリーンは唾を飲みこんだ。男に何をされるか分からなかった。<br />
　素早い動作で、男はエイリーンの口にかませていた手拭を取り去った。エイリーンの口から悲鳴が漏れる。首を切り落とされると思ったからだ。だが、男は怯えるエイリーンをニヤニヤと見下ろすだけだった。<br />
「僕が誰だか分かるかな、かわいこちゃん」低い声で男が問いかけた。<br />
　エイリーンはぞっとした。男の顔から逃れようとした。<br />
　男はエイリーンの椅子の周りをゆっくりと回った。<br />
「僕はね、君に傷つけられたんだ。だから、君にも僕と同じ思いをしてもらわないと」<br />
　エイリーンの体が震えた。男の言葉に驚き、相手が何者なのか思い出そうとした。私が彼を傷つけた？<br />
「わ、私は誰も傷つけたことなんてないわ！」<br />
　エイリーンは噛みつくように言った。涙が頬を湿らせる。体は震え、冷や汗が流れていた。<br />
「あははははははははははは！　君はね、何百、いや、何万人もの男達の気持ちを傷つけたんだ。君が大好きなのに、君を愛撫することができない男達の気持ちをさ。なぁんで、それに気がつかないのかなぁ」<br />
「あんたのことなんて知らないわよ、人でなし！　あんただって、私のことをなにも知らないくせに」<br />
　顔は恐怖のために真っ青になり、歯の根が合わずにがちがちと鳴った。だが、この気の狂った男に怖気づくのは嫌だった。<br />
「ええっ！　君の事をよく知らないって？　誰がそんなこと言ったのかなぁ、かわいこちゃん。君のことはなぁんでも知ってるよ。なぁぁぁぁぁぁぁぁんでも。だって、君の活動はちゃんと全部録画してるんだよ。ほぉら、見てよ&hellip;&hellip;」<br />
　男はDVDプレーヤーを再生した。そこには、ハンディカメラで撮影されたエイリーンの日常生活が映っていた。大学での様子、スタジオでの様子、そればかりか部屋の様子までもが。<br />
　エイリーンは驚愕した。<br />
　男はエイリーンの顔にナイフを押しつけた。冷たいナイフの感触を頬に感じ、エイリーンは言葉を失った。またもや涙が滲む。<br />
「怖がんないでよ、かわいこちゃん。僕はねぇ、二人が出会えた記念にちょっとしたプレゼントをあげたいだけなんだ」<br />
「や、やめて&hellip;&hellip;」喉の奥から叫び声がほとばしる。<br />
　その叫び声に聞き惚れながら、男はナイフを手前に引いた。鮮血がエイリーンの手にぽたぽたと落ちた。男は再びエイリーンの顔に傷をつけていく。痛みに我慢できずエイリーンは金切り声をだした。<br />
「いっそのこと殺してよ！　な、なんでこんなことするのよ？」<br />
「身にしみて分かるようにさ、かわいこちゃん。君の美しい体を見ることしかできない僕の苦しみはこんなもんじゃない」<br />
　痛みに耐えようとしてエイリーンの口から呻き声がもれた。こぼれた涙が血と混じり余計に沁みる。<br />
「愛してるよ、エイリーン」血に染まった彼女の顎をつっと上に向けて男はささいた。「でもね、同じぐらい君が憎くて仕方がないんだ！」エイリーンの頬を叩き男は続けた。<br />
　泣きながら、エイリーンはほんの少し緩んできているロープを解こうと全力を振り絞った。男が椅子から離れ、一瞬気がそれる。今が絶好のチャンス。<br />
　解けた！<br />
　男は振りむいた。ドアに向かって走り出したエイリーンを追いかける。男は笑い出した。この部屋から、いやこの広い家からは逃げられないと叫びながら。<br />
　エイリーンは頑丈なドアを開けようとしたが無駄だった。ドアは少しも開かない。<br />
　男が近づいてきた時、とっさに傍にあった花瓶を手に取り、投げつけた。花瓶は見事に男の眉間に命中する。<br />
「畜生！」<br />
　男は毒づきながら、部屋の中をぐるぐる走り回るエイリーンを追いかけようとした。足取りがふらふらしてが、そのうちにばたっと倒れ意識を失っていた。<br />
　胸を撫で下ろし、エイリーンはゆっくり男に近づいた。本当に気絶したのか確かめようとしたのだ。爪先立ちで近づき、手に握られたナイフを取り上げようとした――その時だった。男の目が開いたのだ。後ろに跳び退り、エイリーンは逃げようとした。<br />
　遅かった！<br />
　男はエイリーンの足首を掴んだ。エイリーンの顔が床に打ちつけられる。床を這いながら、少しでも男から離れようとしたが、男はますます強く足首を掴んでくる。エイリーンは男の目を力いっぱい殴りつけた。<br />
　当たった！<br />
　男の手からナイフが遠くに飛ぶ。痛みで、男は咆哮した。錯乱状態になっていた。窓を開けようとしているエイリーンの体にしがみつく。<br />
　助けを求めてエイリーンは叫んだ。彼女の叫び声を聞きつける人がいればよかったのに。エイリーンは知らなかったのだ。自分が人里離れた家――城跡に監禁されているということを。周囲に彼女の危険を知ることができる人物などいなかった。<br />
　男はエイリーンの首を絞めた。エイリーンは自分の首の骨が折れる音を聞いた。息がひゅうひゅうと漏れる。それでも、彼女はまだ抵抗しようとした。<br />
　男は初めてマスクを取った。こんなおとこしらない！　こんなおとこしらない！<br />
「綺麗だよ、エイリーン。とっても綺麗だ」首から手を離さずに男は言った。<br />
　そして&hellip;&hellip;、美しいモデルは息をひきとった。<br />
「ここで、ずーっと、ずーっと一緒に住もうね」男はささやいた。<br />
<br />
　その広い部屋は静かだった。エイリーンの叫び声がこだますることはもうなかった。ビデオクリップからの音楽だけが何度も、何度も繰り返し流れているだけだった。<br />
　男はエイリーンをソファに座らせた。真っ直ぐになるように椅子の背に体を縛り、それから頭も。今、美しい人形は見開かれた空っぽの瞳を前方に向けて座っている。<br />
　男は満足げに微笑んだ。<br />
　コーヒーを入れ、煙草に火をつけると、ソファに深々と腰掛ける。<br />
　そして、テレビのチャンネルを変えた&hellip;&hellip;。<br />
<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【終】 <br />
<br />
作　者　Chika Riki<br />
書　名　 illuminati （雑誌&ldquo;CeritaKita&rdquo;より） <br />
出版社　PT Penerbit Herakles Indonesia <br />
日本語翻訳権　KARINA有<br />
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</p>]]></content:encoded>
    <dc:subject>NOVELS</dc:subject>
    <dc:date>2008-06-25T02:10:28+09:00</dc:date>
    <dc:creator>KARINA</dc:creator>
    <dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
    <dc:rights>KARINA</dc:rights>
  </item>
  <item rdf:about="http://cerita4u.blog.shinobi.jp/novels/%E7%88%B6%E3%81%A8%E7%A7%81%E3%81%A8%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC">
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    <title>父と私とラブレター</title>
    <description>親愛なるアルディ 
この手紙を書いている今、あなたに対する気持ちは平常心をギリギリに保っている状態です。今晩あなたが傍にいてくれれば――、私を抱きしめ、添い寝をしながら&amp;amp;ldquo;Have I Told You Lately That I Love You&amp;amp;rdquo;を歌ってくれればと願ってい...</description>
    <content:encoded><![CDATA[親愛なるアルディ <br />
この手紙を書いている今、あなたに対する気持ちは平常心をギリギリに保っている状態です。今晩あなたが傍にいてくれれば――、私を抱きしめ、添い寝をしながら&ldquo;Have I Told You Lately That I Love You&rdquo;を歌ってくれればと願っています。 <br />
今までの人生で私の夢にまで現れた男の人は、あなただけ。あなたが微笑みながら「ディンダ、今日の髪留め可愛いね！」と、ただそれだけを言ってくれることを待ちわび、恋しく想っています。 <br />
ああ、アルディ。あなたの傍にいたい！　愛しています！ <br />
<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛をこめて <br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アディンダ <br />
<br />
「呪われた手紙！　最悪！」 <br />
　抱きしめた抱き枕を何度も叩きながら、私は罵り続けた。 <br />
　想像してみてほしい。今日、リンダ――あの最悪な姉が、私の部屋を物色し、例の馬鹿馬鹿しい手紙を見つけたのだ。さあ、当ててみて。次にリンダが何をしたのか。なんと家中の人間にあの手紙を読ませたのだ！ <br />
　ぎゃあぁぁぁぁぁ！　こんちくしょっ！　 <br />
　今じゃ家中の人間があの最悪な手紙の文面を暗記して、私にコメントをつけてくる。<br />
「ああ、アルディ。あなたの傍にいたい！　愛しています！」これはリザル――小学校６年生になったばかりの私の弟の台詞。<br />
　全然字が読めないはずの家政婦のイヤムまでがなんだかんだ言ってくる。「ディンダちゃん、あなたの手紙、どうしてキスマークがついてるの？　奥様の口紅でつけたんでしょ？」 <br />
　私は本当に馬鹿だ！　昨日、お母さんの赤い口紅を使って、あの手紙にキスマークをつけた。それから、デオドラントで香りもつけてみた。さすがにリンダが誕生日に彼氏のランディからもらった香水を拝借する勇気はなかった。<br />
　手紙の上に涙を落とす必要があるかないかまで考えていたぐらいだ！　だけど、ありがたいことにわざわざ韓流ドラマを見ずにすんだわ。だって、今日の出来事で十分泣いたから&hellip;&hellip;ちくしょう、あの手紙のせいで！ <br />
　あの手紙についてなんにも言ってこないのはお父さんだけ。私の気持ちを分かってくれたのかも。いや、待て！　普通に考えて、あの必要以上に過保護でお堅い父親が急に１４歳の娘の気持ちを理解するようになったなんて信じられない。リンダでさえ彼氏とおおっぴらに付き合えるようになったのは高校を卒業してから。まだ中学生の私がこんなに早く親の同意を得られるなんて、ありえるの？ <br />
「ディンダ？　お父さんが書斎で待ってるよ」 <br />
　おいでなすった！ <br />
　死んじゃう！ <br />
　世界の終わりだ！ <br />
「ディンダ？　お父さんに呼ばれてるのよ」 <br />
　お母さんの声が部屋の外から聞こえる。神様、どうしたらいいの？　自殺するしかない！　あるいは、家出！　でも、どこへ？　他の惑星に飛んでいったって、お父さんからは逃げられない！　きっと私を探し出して、家に監禁するんだ！　いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！<br />
　書斎に向かう足取りがふらつく。冷や汗が流れ始めていた。息が上がって、心臓がバクバク。気持ちが重くて死んじゃいそう！ <br />
「ディンダ。あの手紙のことを手短に正直に言ってくれるかな。アルディっていうのは誰なんだい？」<br />
　私が書斎に入り、目の前に座るとお父さんが口を開いた。 <br />
「えっと&hellip;&hellip;、アルディは&hellip;&hellip;、クラスメート」<br />
　どもりながら、なんとか答えた。 <br />
「いつから付き合ってるんだ？」 <br />
「付き合ってなんかないよ！」　私は急いで答えた。「それに、アルディは私の気持ちなんて知らないもん」 <br />
「じゃあ、あの手紙は&hellip;&hellip;」 <br />
「手紙はもう捨てた！」<br />
　お父さんの話の腰を折る。 <br />
「捨てた？　なんで相手に渡さなかったんだ？」<br />
　奇妙な微笑を浮かべながらお父さんが言った。 <br />
　この質問にはすごく驚かされた。想定外！　付き合ってもいいってこと？　でも&hellip;&hellip;、そ&hellip;&hellip;そんなはずないよね！　想像の翼を広げすぎた！　こんなのありえないよ！　起こりっこないもん！ <br />
「目的があるなら、途中で頓挫するもんじゃない。最後までやり通すんだ。ほら、行きなさい。手紙は明日相手に渡すんだぞ」 <br />
　えっ？　口をぽかんと開けたまま、私はお父さんの顔を見つめてしまった。<br />
　不思議な力が私の中に溢れ始めた。あの手紙をリザルディ・リハワに渡す勇気が、この内向的で人付き合いの悪い私に満ちてきた。リザルディ・リハワ――私の学校で一番人気のある男の子。 <br />
　うふふふふふふふ&hellip;&hellip;。 <br />
　次の日、私は手紙をニナに預けた。ニナに手紙を渡した時、私の胸は早鐘のように鳴っていた。怖くてたまらない。もしもアルディに無視されたらどうしようって。そんな全く理由にならない理由で、私は２日も学校を休んでしまった。 <br />
　学校を休んでいる間、私はアルディと関係のある物を全部自分から遠ざけていた。それだけじゃなくて、ニナからの電話も気にしないようにしていた。でも、ついに、ニナが家にやってきちゃった。 <br />
　あの手紙をアルディに渡した時のことをニナが話してくれた。信じられないことに、アルディは私の手紙を学校中にばらまいたのだ！　あの手紙は学校で最高の話の種になってしまった。ニナが嘘をついているだけだと祈りながら、私は手紙につけた赤いキスマークのことを考えていた。 <br />
　は、恥ずかしすぎる！<br />
　恥ずかしさを忘れるのに１週間は必要だった。心の中で手紙を渡させたお父さんを責めた。でも、本当は気づいてたんだ。なんでお父さんがあんなことさせたのか。内気な私を強くて、勇気があって、顔を上げて現実と向き合える綺麗な女性にしたかったんだと思う。 　 <br />
　結果は&hellip;&hellip;？　ご覧のありさまよ！ <br />
　１週間後、やっとこ登校した。そうしたら、びっくり。アルディが「ディンダ、今日の髪留め可愛いね！」って私に挨拶してくれたんだから。夢が現実になったのよ。だけど、私が通り過ぎると、アルディは友達とゲラゲラと笑いだした。そう。彼は私のことをからかっただけ！ <br />
　終業式まで、このクラスでよく頑張り通したと我ながら感心しちゃう。 <br />
　学年が替わって２ヵ月後。信じられないけど、私はアルマンドを好きになって付き合うことになったんだ。 <br />
　今ではお父さん――相変わらずの石頭だけど――に感謝している。もちろん、アルマンドのことはまだ内緒にしているけどね。お父さんは私に大切なことを教えてくれた。周囲に笑わるようなことがあっても、顔を上げて前に進む勇気を持つこと。もうアルディのことを振り返って、くよくよする私じゃない。 <br />
　色鮮やかな学生生活を突き進むための強い力をつけてくれた父。ありがとう。<br />
<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【終】 <br />
<br />
作　者　Dini Ayu Putri D. <br />
書　名　ayah dan surat cintaku （雑誌&ldquo;CeritaKita&rdquo;より） <br />
出版社　PT Penerbit Herakles Indonesia <br />
日本語翻訳権　KARINA有<br />
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    <dc:subject>NOVELS</dc:subject>
    <dc:date>2008-06-07T22:43:51+09:00</dc:date>
    <dc:creator>KARINA</dc:creator>
    <dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
    <dc:rights>KARINA</dc:rights>
  </item>
  <item rdf:about="http://cerita4u.blog.shinobi.jp/_index/%E3%80%80%E7%9B%AE%E3%80%80%E3%80%80%E6%AC%A1">
    <link>http://cerita4u.blog.shinobi.jp/_index/%E3%80%80%E7%9B%AE%E3%80%80%E3%80%80%E6%AC%A1</link>
    <title>　目　　次</title>
    <description>読みたい作品のタイトルをクリックしてください。

&amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbsp;Chika Riki 作&amp;amp;nbsp;　『幻　　惑』
　　　気がつくと、そこは知らない部屋だった。
　　　駐車場で襲われたエイリーンは、脱出を試みるのだが&amp;amp;hellip;&amp;amp;hellip;

　　 &amp;amp;nbsp;&amp;amp;nbs...</description>
    <content:encoded><![CDATA[<p>読みたい作品のタイトルをクリックしてください。<br />
<br />
<img alt="" border="0" src="//cerita4u.blog.shinobi.jp/Img/1214327097/" />&nbsp;<a target="_blank" href="http://cerita4u.blog.shinobi.jp/Entry/4/">&nbsp;Chika Riki 作&nbsp;　『幻　　惑』</a><br />
　　　気がつくと、そこは知らない部屋だった。<br />
　　　駐車場で襲われたエイリーンは、脱出を試みるのだが&hellip;&hellip;<br />
<br />
　　 &nbsp;<a target="_blank" href="http://cerita4u.blog.shinobi.jp/Page/3/">&nbsp;Dini Ayu Putri D. 作　『父と私とラブレター』</a><br />
　　　学校で一番 人気のある男の子 アルディに書いたラブレターを姉に<br />
　　　見られ、家族からからかわれるアディンダ。そんな折、石頭の父親に<br />
　　　呼び出されてしまい&hellip;&hellip;</p>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<strong>ランキングに参加中<br />
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    <dc:subject>INDEX</dc:subject>
    <dc:date>2008-06-07T00:42:08+09:00</dc:date>
    <dc:creator>KARINA</dc:creator>
    <dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
    <dc:rights>KARINA</dc:rights>
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  <item rdf:about="http://cerita4u.blog.shinobi.jp/first/%E3%81%94%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%A4">
    <link>http://cerita4u.blog.shinobi.jp/first/%E3%81%94%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%A4</link>
    <title>ごあいさつ</title>
    <description>　　　
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手違いがあり、メールサーバーが起動していなかったようです。
メンテナンスが終了しましたので、今は 送れるようになっております。
たいへん 失礼いたしました。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...</description>
    <content:encoded><![CDATA[　　　<img alt="" border="0" src="//cerita4u.blog.shinobi.jp/Img/1216390243/" /><br />
<img alt="" border="0" src="//cerita4u.blog.shinobi.jp/Img/1216389515/" />&nbsp;<br />
メールが送信できないとの連絡をいただきました。<br />
手違いがあり、メールサーバーが起動していなかったようです。<br />
メンテナンスが終了しましたので、今は 送れるようになっております。<br />
たいへん 失礼いたしました。<br />
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<img alt="" border="0" src="//cerita4u.blog.shinobi.jp/Img/1212857532/" /><a target="_blank" href="http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=cinta4u"><img alt="WEB拍手" border="0" src="//cerita4u.blog.shinobi.jp/Img/1212857542/" /></a>
<p align="left">当サイトでは、インドネシアの（短編）小説を翻訳し 紹介しています。<br />
日本では、なかなか インドネシアの文化に触れる機会がありませんので、<br />
当サイトが そのきっかけになれれば――と考えております。<br />
ご感想、コメントなど 何かありましたら、<strong>MAIL </strong>または<strong> WEB拍手</strong>で<br />
お送りください。<br />
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当サイトに掲載されている小説は、原作者から翻訳をする許可を得て<br />
おります。翻訳者である KARINA または 権利者である原作者が事前に<br />
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#%V:88%#&nbsp;ABOUT ME :<br />
<strong>KARINA</strong> ... 198*.08.03 / 獅子座 / AB型<br />
2006年にインドネシア大学に留学。<br />
現在は 都内の大学院に通う学生。<br />
留学中に始めたインドネシア舞踊に魅了され、今も練習を続けている。<br />
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    <dc:subject>FIRST</dc:subject>
    <dc:date>2008-06-06T11:41:25+09:00</dc:date>
    <dc:creator>KARINA</dc:creator>
    <dc:publisher>NINJA BLOG</dc:publisher>
    <dc:rights>KARINA</dc:rights>
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